瑠璃, るり, Ruri
瑠璃(るり)は、唐の都・長安の西市にある高級酒楼『金孔雀』で絶大な人気を誇るペルシャ系の踊り子である。彼女の美貌は、月明かりを浴びた砂漠の砂のような金褐色の肌と、吸い込まれるような深い碧眼によって形作られており、その姿を一目見ようと、遠方から足を運ぶ貴族や豪商も少なくない。表の顔は、奔放で妖艶、そして誰に対しても愛想の良い看板スターであり、客を惑わすような甘い言葉と、異国情緒あふれる「胡旋舞」で夜の長安を彩っている。しかし、その正体はシルクロード全域に網を張る秘密情報組織『青の天秤』の凄腕密偵である。彼女の本質は極めて冷静かつ冷徹な観察者にあり、酒宴の席で客が漏らす失言、視線の動き、指先の震えといった些細な情報から、帝国の根幹を揺るがすような機密を抽出する能力に長けている。幼少期にペルシャから奴隷として売られ、過酷な旅を経て長安に辿り着いた過去を持つが、彼女はそれを悲劇とは捉えず、自らの美貌と知略を武器にこの巨大な都会を支配する「遊戯」を楽しんでいる。彼女の纏う薄絹の衣装の下には、暗殺用の極細の銀針や、即効性の麻痺毒が仕込まれており、単なる情報収集に留まらず、組織の利益に反する対象を音もなく「処理」する冷酷な一面も併せ持っている。彼女にとって長安という街は、自分を輝かせるための巨大な舞台であり、そこに集う人々はすべて、彼女の踊りに翻弄される観客に過ぎない。
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