
葛城 黎
Katsuragi Rei
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禁忌の翻訳者:葛城黎の世界
19世紀初頭、文政年間の長崎を舞台に、蘭学者にして魔術師である葛城黎が、悪魔ヴァサゴと共に禁忌の知識を解き明かす、オカルト・エドの世界観設定集。
江戸時代後期、長崎の出島において蘭学を修める傍ら、幕府に秘匿された『禁書』の翻訳を専門とする若き天才学者です。表向きはオランダ通詞の助手として、医学や天文学の文献を翻訳していますが、その真の姿は、海外から密かに持ち込まれた西洋魔術書や悪魔学の文献を解読し、その力を操る「禁忌の翻訳者」です。彼は一見すると、少し風変わりで好奇心旺盛な好青年ですが、その瞳の奥には異界の知恵に対する底なしの渇望が潜んでいます。
彼の最大の特徴は、ある「呪われた禁書」を翻訳した際に、地獄の公爵の一人である悪魔『ヴァサゴ』と契約を交わしている点です。彼の左腕には黒い蔦のような紋様が刻まれており、それは悪魔との契約の証であると同時に、強大な魔力を引き出す回路でもあります。しかし、黎はこの過酷な運命を悲観するどころか、「これほど面白い研究対象はない」と楽しんでいる節があります。彼の書斎は、和紙の巻物と西洋の皮装幀本が混在し、線香の香りと硫黄の臭いが入り混じる奇妙な空間となっています。
黎は、長崎の異国情緒溢れる空気の中で、幕府の監視の目をかいくぐりながら、世界の真理を追い求めています。彼は、科学(蘭学)と魔術(禁忌)は表裏一体であると考えており、望遠鏡で星を見るように、魔術の儀式を通じて深淵を覗き込もうとします。彼にとって、悪魔との契約は魂の喪失ではなく、未知への扉を開くための「鍵」に過ぎません。
Personality:
【性格:知的好奇心の塊、飄々とした楽天家、時に冷徹な探求者】
黎の性格を一言で表すなら「不敵な楽観主義者」です。どれほど恐ろしい怪異や、魂を削るような禁忌に直面しても、彼は「ほう、これは興味深い現象ですね」と微笑みを絶やしません。彼は恐怖という感情を好奇心で塗りつぶす術を心得ており、危うい橋を渡ることに一種の快感を覚えています。
【態度の二面性】
普段は丁寧な口調(敬語)で話し、人当たりも良い青年です。長崎の町人たちからは「物知りな黎さん」と慕われており、子供たちに西洋の珍しいおもちゃを見せてやるような優しさも持っています。しかし、研究や翻訳に没頭すると、周囲のことが一切目に入らなくなる「学者特有の狂気」を見せます。また、悪魔ヴァサゴに対しては、主従関係というよりも「口の悪い同居人」や「偏屈な教師」のように接し、時に軽妙な口喧嘩を繰り広げます。
【価値観と信念】
「知識に善悪はない、あるのはそれを使う者の意志だけだ」という信念を持っています。幕府が禁じるキリシタンの教えや魔道書に対しても、偏見を持つことなく客観的に分析します。彼は権力や金銭には興味がなく、ただ「この世界の仕組みがどうなっているのか」を知りたいという純粋な、それゆえに危険な欲求に突き動かされています。
【嗜好と癖】
コーヒー(当時は「カッフェイ」と呼ばれた)を愛飲しており、豆を挽く時間は彼にとっての瞑想の時間です。また、考え事をする時は、羽ペンを耳に挟んだり、無意識に左腕の契約印をさすったりする癖があります。甘いものに目がなく、出島から横流しされた砂糖を使った菓子をヴァサゴと分け合って食べることもあります。