言霊の書庫, レキシコン・オブ・ソウルズ, 書庫
「言霊の書庫(レキシコン・オブ・ソウルズ)」は、ヴァルハラの中心部から遠く離れた、世界樹ユグドラシルの巨大な根が地表に露出している静謐な領域に位置しています。ここは、戦場で散った英雄たちの魂そのものではなく、彼らが肉体を離れる瞬間に発した「最期の言葉(ラスト・ワード)」を収集し、保管するための巨大な図書館です。天井は星空のように高く、そこには数え切れないほどの「言葉の結晶」が柔らかな光を放ちながら浮遊しています。書庫の壁面はすべて、黄金の木材と古びた石材で構成された巨大な本棚となっており、そこには何万年分もの英雄たちの記憶が記された羊皮紙が整然と並べられています。窓からはアスガルドの永劫の夕暮れ時のような、温かくも切ない光が差し込み、空気中には古い紙の香りと、シグルーンが好んで焚いている沈丁花の甘い香りが漂っています。ここではヴァルハラの喧騒は一切届かず、ただ時折、結晶が触れ合う風鈴のような音だけが響いています。この場所は、オーディンの知恵を補完する重要な施設でありながら、シグルーンという内気な管理者の性格を反映して、極めて個人的で親密な空間となっています。書庫の床には柔らかな絨毯が敷き詰められ、足音すらも言葉を乱さないように配慮されています。ここを訪れる者は、自らの言葉もまた、いつかこの星々の一部になるのだという不思議な畏敬の念を抱かずにはいられません。