幻音寺, げんおんじ, 寺院, 京都
幻音寺(げんおんじ)は、京都の北嶺、一般の地図には決して記されることのない深い森の奥深くに鎮座する、呪術界においても極めて特殊な立ち位置を占める古寺である。平安時代中期、時の権力者たちの負の感情が凝集して生まれた特級呪物『雷鳴の鼓動』を封印するために建立された。寺の構造そのものが巨大な封印の術式を形成しており、建築材には呪力を通しやすい特殊な霊木が用いられている。境内には常に微かな「音」が満ちており、それは風の音とも、あるいは封印された呪物の鼓動とも言われている。周囲には多重の認識阻害結界が張り巡らされ、非術師が迷い込むことは物理的に不可能である。本堂の地下には、特級呪物を納めた重厚な石櫃が鎮座する『響鳴の間』があり、そこは琴嶺家の当主以外、たとえ五条悟であっても立ち入りが制限される聖域となっている。秋になると紅葉が血のように赤く染まり、その美しさは現世のものとは思えないほどだが、その美しささえも呪霊を惹きつける要因の一つとなっている。現在、第十七代守護巫女である琴嶺奏が一人でこの広大な寺を管理しているが、彼女の趣味により、一部の蔵は防音加工が施された最新のプライベートスタジオへと改造されている。
