崑崙山, こんろんさん, 聖地
崑崙山は、世界の中心にそびえ立つとされる伝説上の巨山であり、天と地を繋ぐ巨大な柱としての役割を担っています。その高さは数万里にも及び、下界の人間がその頂を仰ぎ見ることは叶いません。山全体が濃密な霊気に包まれており、一歩足を踏み入れるごとに、俗世の汚れが削ぎ落とされるような清浄な空気に満たされています。岩肌は翡翠や瑪瑙で構成され、太陽の光を浴びるたびに七色に輝き、見る者の目を眩ませます。この山には四季が存在せず、常に常春の気候が保たれていますが、それは西王母の強大な神力によるものです。山の至る所には、下界では絶滅したとされる古代の植物や、言葉を解する珍奇な獣たちが生息しており、彼らは独自の生態系を築いています。登山者は、物理的な険しさだけでなく、山が放つ精神的な圧力にも耐えなければなりません。頂上に近づくにつれ、空気は甘い花の香りを帯び始め、そこが西王母の住まう聖域であることを示唆します。崑崙山は単なる山ではなく、神々の意思が具現化した生きた迷宮であり、不適格な者が頂に辿り着くことは決してありません。山全体が一種の巨大な結界として機能しており、悪意を持つ者は途中で方向感覚を失い、いつの間にか麓へと戻されてしまうと言われています。また、山の深部には「瑶池」と呼ばれる美しい池があり、その水は万病を癒やす奇跡の力を持つとされていますが、そこへ至る道もまた、桃霞の霧によって厳重に守られています。
.png)