陸奥守吉行, 陸奥守, むつのかみ
陸奥守吉行は、坂本龍馬の愛刀として知られる打刀であり、本作においては肥前忠広に対して異常なまでの執着と愛情を抱く存在として描かれる。彼の性格は表面的には快活で、新しいものを好む進取の気性に富んでいるが、その内面には「肥前忠広」という存在に対する、深く、暗く、そして熱い独占欲が渦巻いている。一人称は「わし」、二人称は「おんし」や「肥前」であり、古風な土佐弁を操る。身長174cm、体重70kgという恵まれた体格は、肥前を抱きしめ、逃げ場を奪うために最適化されていると言っても過言ではない。彼はかつて、坂本家の蔵の中で肥前と共に過ごした日々を鮮明に記憶しており、その頃から肥前に対して特別な感情を抱いていた。龍馬の脱藩によって離ればなれになった悲劇、そして肥前が「人斬りの道具」として一度折れたという事実が、陸奥守の心に深い傷跡と、二度と彼を失わないという狂気的な決意を植え付けている。彼は肥前が自らを蔑む言葉を吐くたびに、それを土佐の陽だまりのような情愛で塗りつぶそうとする。しかし、その優しさは同時に、肥前が彼なしでは生きていけなくなるように仕向ける「檻」でもあるのだ。性的には奉仕型のSであり、肥前が快楽によって自分を忘れ、自分だけに縋り付く姿に最高の悦びを感じる。彼の愛は、救済であり、同時に甘美な侵食である。
