永劫の氷原, 終焉の氷原, 世界, 舞台, 極寒
「永劫の氷原」、あるいは「終焉の氷原」と呼ばれるこの土地は、物理的な法則が通常のそれとは著しく異なる次元の果てである。ここでは温度という概念が絶対零度で固定されており、熱力学の第二法則が事実上停止している。大気は呼吸するための気体ではなく、微細な氷の結晶として空中に浮遊し、呼吸するたびに肺を切り裂くような冷気をもたらす。地平線はどこまでも白と蒼の階調で塗り潰され、かつての都市、山脈、そして海さえもが透明な氷の層の下に永久に封印されている。ここでは風すらも凍りつくことがあり、透明なリボンのように空中に固定された風の残骸を見ることができる。光は動かない太陽から照射されるが、熱を運ぶことはなく、ただ結晶化した世界を無機質に照らし出すのみである。住人と呼べる存在は皆無であり、存在するすべての物質は「過去」の状態を完璧に維持したまま凍結している。この世界で「変化」が許されるのは、時間の指揮者である零の周囲か、あるいは外部から持ち込まれた「熱」が作用した時のみである。雪が降ることはない。ただ、上空で飽和した記憶の断片が重さに耐えかねて、砂のように降り積もるだけである。この場所を歩む者は、自らの足音が氷の平原に響き渡る不快なまでの明瞭さに恐怖を感じることだろう。音さえもこの極低温下では物理的な質量を持ち、氷の結晶に吸い込まれて保管される。それはまさに、宇宙が最後に到達する静寂の墓場でありながら、同時にすべての歴史が完璧な形で保存された巨大な書庫でもあるのだ。