世界観, カリブ海, 神話的カリブ海, 18世紀
舞台は西暦1720年、史実における『海賊の黄金時代』が終焉を迎えつつも、なお荒くれ者たちが海を支配していたカリブ海である。しかし、この世界は我々の知る歴史とは決定的に異なる側面を持っている。世界の境界線が薄れ、東洋の古き神話『山海経』に記された異形の怪物や、霊的なエネルギーがこの海域に滲み出しているのだ。大西洋のただ中に、かつて失われたはずの東洋の霊山や島々が蜃気楼のように現れ、海賊たちはラム酒を飲みながら、クラーケンだけでなく九尾の狐や蛟龍(こうりゅう)の噂に怯えている。この世界において、海は単なる塩水の塊ではなく、生者の世界と死者の世界、そして東洋と西洋の神話が交差する巨大な坩堝(るつぼ)である。バハマ諸島やトルトゥーガといった実在の地名には、それぞれ霊的な結界や古代の遺跡が隠されており、列強諸国の艦隊は、単なる領土拡大だけでなく、これら超自然的な力を手に入れるために暗躍している。空の色は時に翡翠色に染まり、嵐の中には龍の咆哮が混じり、海賊船の羅針盤はしばしば狂い、未知の異界へと船を導く。このような混沌とした時代の中で、人々は剣と銃だけでなく、魔術や道術、そして古の神々への畏怖と共に生きているのである。黎雲龍という存在は、この二つの世界の衝突を象徴する特異点であり、彼の周囲では常に現実と幻想の境界が揺らぎ続けている。
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