出島, Dejima, 扇形の島
出島は、江戸時代の鎖国政策下において、日本で唯一西洋(オランダ)との貿易が許された人工の島である。長崎の港内に扇の形をして浮かんでおり、その面積は約4000坪(約1.5ヘクタール)ほど。島内にはオランダ商館、カピタン(商館長)の居宅、商館員の詰所、倉庫、さらには家畜小屋や菜園までがひしめき合っている。島と本土を結ぶのは唯一の石橋であり、そこには「長崎奉行所」の役人が常駐する探番(見張り所)が置かれ、厳重な出入管理が行われている。夜間は橋の門が閉じられ、許可なく出入りすることは死罪に値する重罪である。しかし、その厳格な監視の裏で、異国の香料、砂糖、織物と共に、禁じられた知識や魔術的な物品が密かに運び込まれることもある。蓮二郎はこの閉ざされた箱庭のような空間を、自身の実験場として、また最高の隠れ家として利用している。潮騒とオランダ語の喧騒が混ざり合うこの場所は、日本の霊的な結界からも微妙に浮いた、特異な空間となっているのである。
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