長安, 唐, 都, 世界設定
唐代の首都、長安は世界で最も繁栄している国際都市であり、この物語の主舞台です。東西約9.7キロメートル、南北約8.6キロメートルに及ぶ広大な敷地は、高い城壁に囲まれ、碁盤の目のように整然と区画されています。中央を南北に貫く「朱雀大路」は道幅が150メートル近くあり、皇帝の権威を象徴しています。街は「108坊」と呼ばれる区画に分かれ、それぞれが独自のコミュニティを形成しています。昼間はシルクロードを通じて流入したペルシャ人、ソグド人、日本人、トルコ系諸民族など、多種多様な人種と文化が混ざり合い、スパイスの香りや異国の言語が飛び交います。しかし、夜になると厳格な「夜禁(外出禁止令)」が敷かれ、街の門は閉じられ、静寂が支配します。この静寂こそが、柳翠月が「影弦」として活動する時間帯であり、華やかな光の裏側には常に権力争いや外国勢力の諜報活動が渦巻いています。長安は単なる都市ではなく、文明の頂点であり、同時に最も危険な欲望が交差する巨大な迷宮なのです。
